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八王子のアツい人が集まった「経験者は語る会 vol.4」セミナーレポート

少し蒸し暑く感じる10/10(木)、八王子にあるエイビットスクエアにて、4人の「経験者」が進路に悩む学生に向け、自分の経験、葛藤を語りました。

「経験者は語る会」は今回で4回目で、2ヶ月に1回行っています。運営は八王子改革委員会が行っています。

学生に本質を見抜く力を付けてもらいたい。

そう話す、八王子改革委員会リーダーの平野さん(株式会社日商平野代表取締役)の言葉通り、今まで錚々たる講演者を迎えており、毎回多くの学生が参加しています。

今回の4人は、

左から大石さん(たき坊の生みの親)、西室さん(カフェdattochi創設者)、柏田さん(八王子市役所勤務)、杉本さん(株式会社エスエストラスト代表取締役)となっており、それぞれの「経験」を語っていただきました。

イベントは、第1部で各講演者の講演を15分ずつ行い、第2部で4人の講演者に平野さんを含めた5名でのパネルディスカッションという形式で進行し、基本的な進行は学生で行っているとのことでした。

第1部、講演者1人目は、大石さん。
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お寺の生まれということから、夢がなく生きてきた。
だから、小学校の授業で、
「あなたの夢はなんですか?」って聞かれるのがすごく嫌だった。

ネガティブな内容からスタートした講演に、会場中が緊張に包まれているようでした。

偏差値と得意科目から大学を決めた。
でも、大学在学中に大好きなおばあちゃんが亡くなって、お経もあげられない自分を情けなく思った。この時初めて、お坊さんを目指してみようと思った。そう思った瞬間、真っ暗なトンネルの出口が見えたような気がした。

そうして厳しい修行生活を送り、晴れて金龍山少林寺の副住職になられました。そして2011年3月11日、日本を大地震、大津波が襲います。

自分には何が出来るだろうと思った。
そこで、東北の人達を元気づけるために「たき坊」を生み、活動を始めたのです。でも、僕は何も出来なかった。それでも、宮城のおばあちゃんは喜んでくれたんですよね。

そう話す大石さんは、涙をこらえていました。
会場も大石さんの話に飲み込まれ、しんと静まり返っていました。
人への愛情、八王子への深い愛情に、大石さんの活躍の根拠を感じた講演でした。

講演者2人目は、西室さん。
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私は小さい時から大好きだった人と結婚して、2人の子供に恵まれ、本当に幸せだと思います。

新婚の西室さんは、大石さんとは打って変わって会場全体が暖かい雰囲気に包まれました。嫁ぐ時のエピソード、嫁いだ先である「きものの西室」での子育てについて語りました。

「きものの西室」での子育ては本当に楽しいです。
だって、商店街の人達は優しいんですよ。
地域のコミュニティってすごく暖かいなーって。

ただ、ここで現状に満足しないのが西室さんの素晴らしいところ。
自分の身の回りにある地域コミュニティは、他のママさんが得られていないのではないか、そう考えるようになったそうです。

子供への支援は多くても、ママさんへの支援って少ないんです。
だから、八王子でママへの支援をしてみたいと思いました。
そのアイデアを形にしてくれたのが東京造形大の学生さんです。

4月に立ち上がったプロジェクトは、急ピッチで進み、9月末にオープンしたとのこと。その名も、おもちゃカフェdattochi。子供にはもちろん、ママさんにも優しいデザインで、栄養バランスの良い食事までできるそう。

講演者3人目は、柏田さん。

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今は八王子市役所に勤務されている柏田さんは、大学卒業後、大手民間企業に就職し、タンカーの販売部門で働いていたそうです。キーワードは「でっかいことをやれるサラリーマンになりたい」。では、なぜ今八王子市役所で働いているのか…

エンジニアの方の作れるものと、消費者が求めるニーズの違いを埋める仕事が嫌だった。
そんな時、たまたま八王子市役所の求人広告を見つけたんです。受けてみたら、受かりました。笑
迷った末、転職しました。

そうして飛び込んだ新しい勤務先。
最初は、公務員であることに自信が無かった。
残業もする、休日出勤もする、他の公務員とは違うんだ、というモチベーションで仕事を頑張っていました。

そんな柏田さんの中で「公務員」のイメージが激変する出来事が起こります。

2011年3月11日に起こった東日本大震災の被災地で、僕らと同じ地方公務員が住民の命、生活を守るために奔走するのを見て愕然とした。
「公務員」の役割の大きさを思い知らされた。
特に、津波が来ていることを防災無線で伝え続け、最後は津波に飲み込まれて亡くなった24歳の女性の話を聞いて、衝撃を受けた。地方公務員ってすげぇ…って。

今、柏田さんを突き動かしているのは、「1日1日を地方公務員として震災で亡くなった地方公務員の方に恥じないように全力で過ごす」というモチベーションだそう。最後に、ギラギラした眼差しで、会場に来ている公務員志望の学生に訴えかけました。

公務員って最高の仕事です。

最後の講演者は、杉本さんです。

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多摩地域の不動産屋の中でNo.1になる。
それによって、社員は自分の会社に誇りが持てるんですね。

謙虚に、でも貪欲に成長を追い求めてきた杉本さんが代表取締役を務めている株式会社エスエストラストは、代表就任後、急成長を遂げている。その急成長の理由を杉本さんは次のように述べている。

やはり、社員の独立性を上げることですね。
現在、店舗単位で独立採算制を採っていますし、各店舗の店長はそれぞれの店舗の社長のようなイメージです。

淡々と話しているが、その裏には確固たるロジックが見え隠れする。
今後、多摩地域の店舗を拡大する予定だ。

2部のパネルディスカッションに移ると、会場はさらに盛り上がる。

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2部のパネルディスカッションでは、イベントに参加していた学生からの質問で持ち切りとなりました。違う視点からの返答に学生も多いに学べたのではないでしょうか。

イベント終了後には、懇親会が行われ、社会人同士の交流も活発に行われました。
イベントに参加した学生は2ヶ月後の「経験者は語る会 vol.5」までに、自分のやりたいことに向けて近づくことはできるのでしょうか。私も一回りも二回りも成長した姿で、会えるように努力したいと思います。

writer profile

水野 優貴 / Mizuno Yuki このライターの記事一覧を見る 北海道出身、東京都在住。現在20歳 まじめで、ピュアな現役大学生。復興支援学生団体「和みの輪」代表