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「時給800円のフリーターが3年で年収1000万円に変わる仕事術」 著者松田元 出版記念講演レポート

 2013年11月20日、一段と寒くなった八王子で「時給800円のフリーターが3年で年収1000万円に変わる仕事術」の著者松田元さんの出版記念講演会が(株)日商平野主催で行われました。今回は、セミナーの雰囲気と印象的な言葉をまとめてレポートさせていただきます。

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「29歳、23社を抱えるホールディングスの社長」。
このように聞くと、皆さんはどのような人を想像しますか?
多くの方が、「偉そうな態度をとるIT系の若手社長」を想像するのではないでしょうか?

ですが、意外と普通なんですよね。腰も低くて、話をしなければそんなすごい社長だとは気付かないと思います。

会場に来ていただいている方も意外に質素な外見に驚いているのか、
講演がスタートした直後は、映されたスライドを半信半疑で見ているような雰囲気でした。

しかし、自己紹介が進むうちに会場全体がほぐれてきます。
中学校も高校も中退。
私は、学校退学のプロフェッショナルです。

常識では考えられない経歴に、参加者の意識が惹き付けられているようでした。
追い打ちをかけるように大学時代のあり得ない経験を話す松田さんに、会場からは笑い声が漏れ始めました。

猛烈な受験勉強の末、早稲田大学商学部に現役で入学しました。
そして、有名起業家から出資を受けて、順風満帆なキャリアをスタートするはずだったのですが…実はそれから地獄のような日々でした。結局、ほぼ無給で2年間働き続けましたが、辞任。そして、22歳の誕生日に、1000万円近い請求書が送られました。もちろん、現在は解決しています。

想像を絶するキャリアのスタートですよね。
それなら…現在の信じられないような役職も本当なのか?
少しずつ、参加者の方々が「講演者」を信頼し始めたような雰囲気を感じました。

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ここから、講演は加速します。
参加者はそのスピードに取り込まれていきます。

皆さんが見ていらっしゃるニュース・新聞、完全に信頼してはダメですよ。
新聞だって、スポンサーってのがいる訳ですよ。
スポンサーに不利な情報なんて出せる訳ないじゃないですか。
大事なのは、それはしょうがないこととしてどの部分にバイアスがかかっているのかを意識して情報を取り込むことです。情報には必ず発信者のバイアスがかかっていると考えてください。そして、考えてください。その情報によって誰が得をするのかを。

確かに、そりゃそうだよな。
スポンサー料をもらっている相手に批判的な記事なんて書ける訳がない。
会場の参加者も納得している様子でした。

次に、松田さんの著書「時給800円のフリーターが3年で年収1000万円に変わる仕事術」について話始めました。

去年の12月に出版して以来、すごく反響がありました。
実際、書店にて見ていただいた方も多いのではないでしょうか。
この本に書いてあることは、私が実際に体験したことです。
実際、22歳の時に先ほどお見せした請求書が届きまして、フリーターとなりました。
そこから3年で年収1000万円を稼ぐようになりました。その時に意識していたことをまとめた本がコレです。もちろん、未だに全部実行してますよ。

正直、ホントかよって思いました。
松田さんより遥かに時間があるであろう僕でも、全部の実行はできていないからです。
例えば…「メールの返信は30分以内に行え」という項目があります。僕レベルであっても、1日に来るメールは100件程度あり、これ全てに30分以内に応答する自分の姿なんて想像がつきません。ずーっとIPadをみていなければいけないのではないかと思うほどです。でも、松田さんは僕の何倍、何十倍ものメールをさばいているというのです。その半端じゃない緊張感に改めて感服しました。

講演終了後には、質疑応答がなされました。

その中でも印象的だったのは、ある大学生の
「松田さんが大学生時代にやってよかったなと思うことは何ですか?」
という質問に対する答えでした。

大学生って、すごく特別な立場だと思うんですよ。
何が特別かって、本当に何の利益にもならないことを延々考えるでしょ?
そんな時間、社会人になったらある訳ないじゃないですか。
でもね、一見無駄に見えるこの時間ですけど、社会人になって人の何十倍もの年収を稼ぐ人っているじゃないですか。そういう人って大抵、何かをものすごく考えた経験を持っているんですよ。
だってね、どんなに優秀な人でも何十倍も働けないじゃないですか。
何か違うんですよ、人と。その違いは、思考法にあると思います。
その思考法を鍛えるには、意味分からないくらい考え抜く経験が大事なんだと思います。
その経験をする場として、大学生という期間が使えると思いますし、実際僕はそうやって使ってました。

今まで聞いてきた大学生生活の過ごし方の中で一番説得力があると思いました。
考える力があるからこそ、人の何十倍もの価値を生み出せるのかなと。
その後の懇親会でも、学生、社会人問わず松田さんに話しかける参加者が絶えませんでした。

次は、松田さんの右腕である、工藤さん(アズ株式会社社長)の教える営業スキル講座を行う予定だそうです。

writer profile

西 宏明 / Nishi Hiroaki このライターの記事一覧を見る 中央大学法学部法律学科3年 叱られて伸びるタイプ。いじられるのも大好きな典型的なM体質を持つ。 大学3年生、22歳であるものの、見た目年齢は28歳と想定される。 特技は、鏡なしでネクタイをきれいに締めること。