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この男なくして八王子は語れない。平野雅之社長インタビュー

澄み渡る青空が眩しい9月某日。株式会社日商平野の代表取締役である平野雅之氏にインタビューを敢行。幼少期の経験から将来の展望に至るまで、詳しくお話を伺いました。では、さっそく見ていきましょう。

●生まれ持った商人気質とリーダー気質

実は3歳の頃からレジ打ちをしていたんです。算数での100−50はわからないんですが、100円を持って駄菓子屋に行き、50円のアイスを買えば、50円のお釣りがくると知っていました。円がつくと計算ができるという、根っからの商人気質でしたね。また、のぼり棒や木で一番上にいなければ気が済みませんでした。気持ちの良い見晴らしを好んでいたんです。そういう意味では、幼少期の頃からリーダー気質もありました。

●仕事の面白さを知った大学時代

高校から大学へはエスカレーターで行けたのですが、あえて外に出ようと思い、別の大学に入学。大学生活はバイトに明け暮れていました。しかし、バイトしていた飲食店で仕事の面白さを知ることになります。渋谷のボエムでウェイターをしていたのですが、カルチャーショックだったのが、ウェイターにお客様がつくシステムだったことですね。時給は自分で勝ち取るものだという企業だったんです。毎月、店長会議があり、どこまで仕事ができるかによって、時給が決められるマネイジメントシステムでした。どのタイミングでお客様にデザートを勧めなければいけないかなど、真剣に考えなければいけないんです。そういうことを、給料を得ながら、学ばせていただきましたね。

●世界一周旅行で培った「危険察知能力」
 
大学時代、兄が中国から陸路で世界一周旅行をしたことに影響され、初海外旅行は一人旅で、タイとミャンマーへ行きました。タイの国際空港に到着後、バックパッカーの聖地であるカオサン通りに直行。そこで友達ができ、心強くなった私は、その勢いでミャンマーにも行きました。次の春休みは、後輩を連れて、1ヶ月間、ベトナムへ旅行に行きました。しかし、そこで後輩が感染症になり病院に行く事態に…。英語がほとんどわからず、大変な思いをしました。その経験から「多少の英語ができないと厳しい」と思い、1年間のオープンチケットを片手に、イギリスに旅立ちました。イギリスからエジプトに飛び、モロッコに渡り、スペインを通って、メキシコまで行きました。この旅行では、イギリスの学校で知り合った世界中の友達の自宅に泊めてもらうなどして、各国々でのローカルの魅力を思う存分、堪能できました。「これは危険」だと察知する能力も、この世界一周旅行で培いましたね。

●自信を持って商品を売ることを学んだサラリーマン時代

 大学卒業後、株式会社レカムに営業として入社。この会社には就職説明会のとき、自由なイメージを描きました。人事の方が長髪の男性で「自分の考えに合うだろう」と確信したのです。入社してからも完全実力主義でイメージ通りの企業でしたが、たったひとつ予想外だったのが、商品がなかなか売れないということでした。その頃、売れなかった理由を環境や会社の責任にしていましたが、あるとき、現在の奥さんに「そんなプライド捨てた方がいい」と助言されたんですね。そこから自信を持って商品を売るようになりました。そのおかげで、成績も右肩上がりになり、入社一年半後には、係長になっていました。

●社会人になってから3年、日商平野で通信事業を立ち上げる
 
最初は、父と二人三脚で、主にプロパンガスの仕事とアクアクララ(お水)の仕事をしていました。そこに、私がレカムで培った通信の仕事をすることになり、私は医者の感覚でこの仕事をしていました。「あなたの会社の通信を診断します」とずっと言っていたんですね。すると、皆さんに「やっと信用できる通信機屋さんと仕事ができた」と喜んでいただけて、見事、通信事業が成功。独立1年目にして、レカムの営業コンテンツで6部門1位を取りました。お客さんにも喜んでもらえて、尚且つ、お金をいただける、こんなありがたい商売はないと思っていましたね。そして、入社してから5年経って、代表に変わったときに「誰かのためになりたい」逆に「仕事をいただいたら返したい」という想いが強くなり、それを何とか繋げることはできないのか、と思うようになりました。そこから人と人を繋げる仕事もするようになりました。

●平野氏の将来の展望

 お客様が喜んでいただけるのなら何でもやる、というスタンスで仕事をしていきたいと思っています。人や商品、サービスに関して、より良いものをひとりでも多くの方に提供していきたいです。商売は「損して得取れ」だと思っています。お風呂のたらいの水と同じで、水を外側に向けてかくと、水面に波紋ができ、それはいずれ、自分の元に返ってきますよね。それと同じで、困っている人をまず助ける、その人が助かれば、巡り巡って、私が困っているときに、今度は、助けてもらえると自分の体験から確信しているんです。それによって、皆で幸せになれれば最高ですね。

また、3年くらい前から、何か私たちにできることはないかと考えていて「八王子改革委員会」を発足しました。八王子市には、22の大学があり、11万人の学生さんがいますが、学生さんと八王子市の企業があまり結びついていない気がしたんですね。そこで、私たちが両者をお見合いさせようということになりました。そのようにして「学生といえば平野」というようなポジションをどんどん増やしていきたいです。それが、八王子に対する恩返しになっていけばいいな、と思っています。

●趣味のガンダムに癒される毎日

 電車での移動中は、もっぱらガンダムのソーシャルゲームに夢中です。一切、課金をせずに無料でどこまで行けるかを試しています。ガンダムのことを考えているだけで、幸せな気持ちになれるんですね。お台場なんかに行くとプラモデルがズラっと並んでいるんですが、それを眺めているだけで心が癒されます。

これまで非常にユーモラスな経験をしてきた平野氏。今後の展望も熱く、経営者としてだけではなく、八王子市の地域活性化にも一役も二役もかってくれることでしょう。これからの平野氏にも目が離せません。

writer profile

木下 あやみ / Kishita Ayami このライターの記事一覧を見る 都内在住のフリーライター。劇団員、OL、WEB編集ライターを経て、フリーライターになる。フリーライターになろうと思ったのは、演劇の脚本に興味を持ったことがキッカケ。そこから、どんどん文章の持つ魅力に引き込まれ ていく。現在は企業用WEBサイトの執筆、『googirl』『Ha Ma Wo』などの複数のWEBサイトでコラム執筆、ゴーストライティングを行っている。